マイクロロンとは
マイクロロンは、エンジンオイルに注入して簡単かつ効果的に摩擦低減効果を得るため表面処理剤です。
オイルとフィルターが新しい状態で注入し、最低50㎞(XAは30㎞)慣らし運転を行っていただくという処理方法なので、ツーリング等で距離を走る直前にオイル交換をして、出かける前に注入して走るという方法がお勧めです。(慣らしが必要なのでゆっくり走るツーリングの時が良いです。)
マイクロロンの働き
「マイクロロン」は、磨擦低減効果(簡単に言うと摩擦を減らす効果)が高いので、大切なエンジンには是非処理をおすすめします。
エンジン内部の部品を潤滑、緩衝、冷却するのは油膜= 「エンジンオイル」です。「エンジンオイル」は、部品同士の間に入って、摩擦を減らす役目をしています。
分解するとよくわかりますが、実際にエンジンがかかっている時、内部での部品同士の接触面は、油膜で完全に部品がコーティングされて、フローティング(直接接触しない状態)とは、なかなかいきません。力のかかる部分で部品同士が時々わずかに接触してしまいます。(なので本当に少しずつ磨耗して、当たりが出て、いずれ寿命がきます。)
だからエンジンオイルの油膜の性能が良いことや、劣化して性能が落ちたオイルを定期的に交換することが重要なのです。そこでさらに、このわずかに接触している部品の金属表面自体を滑らかにしながら摩擦を少しでも低減することが出来たら、今よりもっと摩擦や磨耗を減らすことが出来るということになります。
では、どうやってこれをやりましょう。
エンジンを分解すれば、WPCやモリブデンコート、チタンコートやDLC(とても高価ですが)などの表面加工を任意の部分に処理することが今では可能です。この方法は、現物にきちんと物理的に表面に加工をしますので、確実かつ表面硬度が上がるなどのおまけつきです。
ただこの方法では、分解等の手間がかかり、工賃と時間と、ガスケット代、オイル代、クーラント代...などなどが、どうしても必要になってしまいます。この加工自体はとても有効な手法ですが、その分手間や作業技術が必要でちょっと高価です。
もっと簡単に、分解しないで、出来るだけ多くの部品に磨擦低減効果を処理する方法もあります。それは、エンジンオイルがエンジン内部各部に行き渡っているので、効果のある材料をエンジンオイルに載せて運び、金属表面のコーティングをする方法です。「マイクロロン」は、この方法の処理を行います。基本的にオイルが行き渡っているところのすべての部品で比較的簡単に磨擦低減効果が得られます。
マイクロロンの注意事項
マイクロンあくまでも金属表面のミクロの凹凸に摩擦低減剤をくっつけて効果を得る製品です。そのため、エンジンの材料自体(硬度や強度)は丈夫になりません。
エンジンの部品が壊れるときは、単純な磨耗による寿命だけでなく、部品や材料の強度や冷却の不足、過熱により、母材の表面が、疲労や変形、溶損、剥離など(これらを磨耗と判断されてしまう場合もあります)を起こしてしまうケースもあります。
これらを防止するのでしたら、磨擦低減効果だけでなく、物理的に部品強度や表面の硬度を上げる必要となりますから、高額な料金を払ってでも物理的方法での表面硬度改善、強度の高い部品への交換、または、エンジンの仕様変更する、などの方法も検討したほうがよろしいでしょう。
ちなみに表面処理をして磨擦が少なくなることは、長期的に見るととても有効な効果ですが、日ごろの恩恵は体感しにくい場合も多いと思われます。(劇的に変わるということは、元の状態のままではあっという間にクリアランスが広がって壊れてしまうからです。)